2024年5月7日
ジル・サンダー(JIL SANDER)がミラノファッションウィークで2015年春夏コレクションを発表した。今季は新クリエイティブ・ディレクター、ロドルフォ・パリアルンガ(Rodolfo Paglial...

プラダ

ジルサンダー(JIL SANDER)がミラノファッションウィークで2015年春夏コレクションを発表した今季は新クリエイティブディレクター、ロドルフォパリアルンガ(Rodolfo Paglialunga)による初のコレクションとあって注目度が高まったロメオジリ、プラダといったメゾンで経験を積み、今回のポスト就任直前まではヴィオネを引っ張っていたデザイナーの新たなる挑戦の始まりだ

「ブランドに憧れを抱いていた」と就任決定時のコメントで語っていたパリアルンガその言葉通り、ブランドのこれまでのイメージが尊重されており、自己主張は控えめしかし、今後のクリエイションの方向性を示唆するデビューコレクションのインスピレーション源に、アンヌマリーシュヴァルツェンバッハのような女性を選んだのは心強い彼女は1930年代に活躍したスイスの写真家兼作家で、既成概念に囚われない自由と、自立心を持った芯のある人だったのだコレクションでは、型にはまらないアンドロジナスな美を求めた男性性と女性性との融合で生まれたのは、目新しさを感じるハイブリッドそれでも決して損なわれないエレガンスが鍵となっている

印象としては、これまでよりフレッシュカラーパレットこそ落ち着いているが、ポロシャツやバミューダパンツなどが少年らしさを演出しているすっきりとした縦のラインが強調されたシャープなシルエットは、一定して保たれた膝下丈やレイヤードスカートが作り出す斜めに入ったスリットで強調され、コレクションを漂うジオメトリック柄がさらにそのムードを深めていく一本線のようなブラトップ、トップスから伸びる長方形のパネルなど、このジオメトリックの残像は、随所に残っていくバランスに関していえば、パッチワークのレザーベルトで重心がやや下にとられていることが分かり、ボーイッシュな魅力を与えていると同時に、長らく続いたファッション界のハイウエストの風潮に新しい風を吹き込む

 

目立ったのは、シャツでの遊びキャザーや膨らませた袖で構築的なフォルムを演出し、ヴァリエーションをつけてコレクションを牽引したprada コピータートルの下に仕込んだり、袖を多めにロールアップしたりと着こなしの参考になりそうなヒントも豊富だカーフレザーやクロコのサンダルに合わせたソックス実はこちらもストレッチの効いたナッパレザーでできており、スタイルを格上げしてくれるヒットアイテムになりそうな予感

「ソフィスティケーション(洗練)、ラグジュアリー、イノベーション(革新)の融合を更に推し進め、ブランドを高い次元に導いて行きたい」というのが新ディレクターのジルサンダーでのヴィジョンだヴィオネでも老舗メゾンのスピリットを尊重しつつ、着実に進化を遂げさせた実績の持ち主その手腕はジルサンダーでどのよう発揮されるのかプラダ ナイロンバッグ コピーしばし期待に溢れた熱い視線を集めることだろう