2024年5月10日
スズキ タカユキ(suzuki takayuki)が、2016年春夏コレクションを発表。テーマにしたのは、穏やかな霧で覆われた白く霞がかった世界。スズキは今回のコレクションの中で、霧によって視界が遮ら...

スズキ タカユキ(suzuki takayuki)が、2016年春夏コレクションを発表テーマにしたのは、穏やかな霧で覆われた白く霞がかった世界スズキは今回のコレクションの中で、霧によって視界が遮られた不安感ではなく、その世界に包まれたときになぜか感じる「心地いい安心感」を表現した

 

ブラウスやワンピース、カットソーそれぞれに、肌触りや質感にこだわった素材を使用例えば、コットンといってもバリエーション豊かに、少しオイル含有量の多いシルクのようなもの、綿密に織られパリッとしたもの、緩く織られた柔らかなもの…全く違う素材かのような質感で、優しく肌に馴染んでいる

また、今期はたっぷり生地を使った分量感あるデザインが目立つブラウスの袖やワンピースの裾、至るところに施されたギャザーやダーツは素材に動きをつけ、軽やかなシルエットをもたらすそして、シワ加工を施したマテリアルによってふんわり空気が取り込まれ、体を優しく包み込んでいるようデザインのひとつひとつが、つかみどころのない霧の儚さを想起させる

それらの表情豊かなワードローブを身に纏うのは、少し不気味な雰囲気のモデル霧の中に迷い込み、体温を失ってしまったかのような彼らが、むしろその柔らかな素材や繊細なディテールを誇張する

 

毎シーズンのごとく提案される着れば着るほど味が出るワードローブは今期も同様ジャケットやコートは、施されたダーツやシワ加工によって使うほど自分の体に馴染み、シャツやパンツは、着る度に麻やリネンの素材が生み出す独特の世界観を広げていく時間の経過さえもデザインのひとつとして取り込む、スズキのこだわりが光るコレクションだ